はじめに|組み立て工程って本当に“地獄”?
こんにちは、アールです。私はスバルの自動車工場で1年半、期間工として働き、組み立て工程に配属されていました。
この記事では、「組み立てライン作業はきついのか?」という疑問に対し、スバルでのリアルな実体験をもとに答えていきます。
スバル工場にある主な工程
- プレス工程:鉄板を車の形にプレス加工する
- ボディ工程:溶接で車体フレームを作る
- 塗装工程:車体に色を塗る
- 組み立て工程:エンジン・ドア・内装・電装系などを一気に取り付ける
- 供給工程:部品の搬入・補充
この中で間違いなく「組み立て工程」が1番キツいです。
組み立て工程に配属されればハズレという認識は浸透しています。
しかし、組み立て工程に配属される確率は高めです。なぜならキツいため辞める人も多く、体力作業なので若い人(20代30代)が中心となっているためです。
なので20代30代の方の場合は組み立て工程に配属されやすいです。
組み立て工程の実態|ラインスピードと作業内容
スバルの組み立てラインは約1分で1台の車が流れてきます。この1分間で指定された工程を完了させないといけません。
主な作業は以下の通りです。
- インパクトドライバーでのボルト締め
- トルクレンチでのナット締め
- 配線コネクターの接続
- 部品の装着(シート、ドアなど)
3車種の対応が必要|覚える作業が多い
私のラインでは3種類の車種が流れてきていました。それぞれ作業が微妙に異なるため、混乱しないよう頭をフル回転させて対応していました。
指示書と呼ばれる簡易な説明書みたいなものが一台一台に貼ってあるので、それを見て確認しながら指定された部品を取り付け、指定された作業をしていきます。
ミスは連帯責任|対策会議や始末書も
作業ミスは個人責任ですが、班全体で対策会議を行います。残業での対策会議や始末書の提出を求められることもあります。
そのため1人のミスで班員の帰りが遅くなってしまい、迷惑をかけたくないという思いからミスはできないというプレッシャーが生まれます。
キズは絶対NG|商品としての車
キズをつけるとクレームにつながるため、注意力を最大限発揮しなければなりません。擦り傷や打ち傷はフィードバックとして組み立て作業員全員にシェアされます。
体力面のきつさ
- 立ちっぱなし8時間+残業
- 工具が重く、手首と腰に負担
- 夏場は灼熱のラインで汗だく
精神的なきつさ
- 集中力を常に保つ必要
- ミスできないプレッシャー
スバルの組み立て工程では1日で300〜400台を組み立てます。
つまり、座ったり立ったりする作業がある場合は1日に300〜400回のスクワットをしているようなものです。
工具は特にインパクトドリルを使いますが約2kgぐらいあります。そして初めの頃は力を入れてしまいがちなので、軽いバネ指になります。
夏はとにかく熱いです。それでも昔に比べてかなり改善されたと思います。
工場内にはエアコンが設置されていません。おそらく理由は空気の入れ替えだと思います。主に塗装系の作業での空気の入れ替えは必須になるためです。
昨今では組み立て工程の各工程にスポットクーラーが設置されているため、かなりそこまでの苦にはなりません。
実際、熱中症で倒れる人は新人に多いですが、6ヶ月以上勤務している作業員は熱中症になることは滅多にありません。どちらかと言うと供給の作業員のような体を動かしていない運動不足の人が熱中症になりやすいようです。
まとめ|組み立て工程は覚悟のいる現場
きつさは間違いなくトップレベルですが、その分「やりきった達成感」や「忍耐力の成長」を感じられる工程でもあります。
基本的に話す必要がないので、黙々と作業したいかたに向いています。
もちろん何か異常があった場合は班長、上長を呼んで報告しなければなりません。1日最低1回は呼んでいました。なにかしら異常は発生します。前工程のミスで作業できなかったり、ボルトの締め付けミスや部品違いなどなどです。
慣れればただの単純作業と化します。
最初の2ヶ月間さえ乗り越えればあとは楽だと言ってもいいと思います。
ただ最初の2ヶ月間はキツいです。
3ヶ月目からは慣れるのでどんどん楽になっていきます。
正直、周りの人達は皆さん優しいので一生懸命やっていれば責められることはありません。
組み立て工程だからといって、そこまで酷い環境ではないので満了までやり抜くことももちろん可能です。