期間工として働くという選択肢は、学歴や経験に関係なく高収入を得られる手段として多くの人に注目されています。実際、私自身も「未経験でも年収400万円以上」「寮費無料」「入社祝い金あり」という条件に惹かれて、愛知県のとある自動車メーカーで期間工として働き始めました。
最初は「体力に自信があるし、我慢すれば続けられるだろう」と楽観的に考えていました。しかし、現場に入ってすぐに「これは想像以上に厳しい世界かもしれない」と感じるようになりました。この記事では、私が期間工として働く中で「本気で辞めたい」と感じた5つの瞬間をランキング形式で紹介し、実際のエピソードを通してその過酷さと向き合った記録をお伝えします。
1. 働き始めのギャップと「もう辞めたい」と思った初日
期間工を始めるにあたって、正直に言うと「楽して稼げる」とは思っていませんでした。未経験・ノースキル・学歴不問で月収30万円以上も可能な仕事が、楽なわけがない。むしろ、「キツくて当然」という覚悟はありました。ただ、それでも入社前に思い描いていた理想と、実際の現場とのギャップには少なからずショックを受けました。
まず、肉体的なキツさです。ライン作業は単純ですが、ずっと同じ姿勢で立ちっぱなし。腕を動かし続け、インパクトドライバーでボルトを締めたり、重たい部品を持ち上げたり。慣れないうちは筋肉痛が酷く、特に腰と腕に負担がかかります。初日の夜には、ベッドの上で「あ、これ続けられるかな……」と不安になったのを今でも覚えています。
2. 第5位:班長の理不尽な怒鳴り声(というかネチネチ指導)
私が勤務していた愛知の工場では、全国から様々な人が集まっていました。方言や文化の違いもあるため、人間関係での相性は本当に“運”です。中でも、私が一番最初に配属された工程では、教えてくれる先輩がいわゆる“当たり”ではなく、“大ハズレ”でした。
その先輩は30代くらいの男性で、関西弁混じりの口調でとにかくネチネチと細かい。失敗すると怒鳴るわけではないのですが、「ちゃうやろ、それ」「何回言わせんねん」といったような嫌味っぽい言い方を毎日のように浴びせられました。最初は「指導の一環」と割り切ろうとしていましたが、どんどん精神的にきつくなっていきました。
班長に相談しようか本気で迷いましたが、入社して間もない自分が“問題児”と思われるのも嫌で、結局何も言えませんでした。その先輩が有給で休んだ日には心からホッとしたのを覚えています。
ただ、幸いだったのは、工程を一人で任されるようになってからはその先輩と関わることがなくなったこと。人間関係のストレスは劇的に減り、仕事に集中できるようになりました。
3. 第4位:同僚の陰湿な態度(は意外と少ない)
期間工といえば「人間関係がキツい」というイメージを持っている方も多いかもしれません。確かに、様々な経歴を持つ人たちが集まっているので、価値観や考え方が合わないこともあります。ただ、私の経験上、陰湿ないじめや派閥争いのようなものはあまりありませんでした。
むしろ、みんな同じようにキツい仕事をこなしているという連帯感のようなものがあり、部活の仲間のような雰囲気すら感じることもありました。わからないことがあれば素直に聞けば誰かが教えてくれますし、困っていれば自然と助け合える環境でした。
ただ、それでもやはり“合わない人”はいます。中には無口で無愛想な人もいて、挨拶しても返事が返ってこないこともあります。そういう時は、「そういう人なんだ」と割り切ることが大事だと思います。職場は仲良しクラブではないので、過剰な期待を持たないことがストレスを減らすコツです。
4. 第3位:怪我をしても誰も助けてくれなかった
期間工の現場は、とにかく安全第一です。事あるごとに「ケガをするな」「慣れた頃が一番危ない」と言われ続けます。にもかかわらず、現場ではやはりちょっとした怪我は避けられません。私自身、インパクトドライバーを強く握りすぎて軽い「ばね指」になった経験があります。腱が炎症を起こして指の動きがスムーズにいかなくなる状態で、期間工の多くが一度はなる“通過儀礼”のようなものです。
さらに、工具で指を軽く挟んだり、部品の角で腕を擦って軽い切り傷を負うこともあります。これらは軽度なものであれば自己責任で済ませがちですが、本来はすべて報告しなければならない決まりになっています。なぜなら、安全に関するミスや怪我はすべて「労災扱い」になるからです。
ただ、正直に言ってしまえば、軽傷程度では報告しない人が多いのが現実です。なぜなら、「怪我の報告をすると大ごとになる」から。上司が来て、事情を聞かれて、用紙に記入して……と、作業が止まり、自分にも周りにも迷惑がかかるという空気があるからです。
私はある日、手を擦りむいた程度の怪我をして、バンドエイドを貼って作業を続けました。その時、周囲の誰も「大丈夫か?」とも「報告したほうがいい」とも言いませんでした。皆、見て見ぬふり。安全第一とは言いつつも、現実は「トラブルを起こすと面倒になる」という心理が根底にあるように感じました。
5. 第2位:深夜のライン作業で体調を崩して吐いたとき
夜勤は、体にかなりの負担をかけます。私は夜型だったので、基本的には夜勤に対する抵抗は少ない方でした。しかし、夜勤明けから日勤への切り替えなど、生活リズムが崩れる場面ではやはり体が悲鳴をあげます。
ある日の夜勤中、急な吐き気に襲われたことがありました。その日は前日の睡眠が浅く、食欲もなく、夕食もろくに食べずに出勤したのが原因だったと思います。暑い工場内で立ちっぱなしの作業を続け、気がついたら頭がぼーっとしてきて、軽い吐き気に。自分の持ち場を外すわけにもいかず、無理して作業を続けたものの、ついに我慢できずトイレに駆け込みました。
その後、班長に報告し、10分ほどの休憩をもらいました。しかし、冷たい対応ではありませんでしたが、どこか「自己管理不足だろ?」という雰囲気も漂っていた気がします。戻ったあとも集中力は落ちたままで、「あ、もう無理かも」と本気で感じた瞬間でした。
6. 第1位:友達の突然のバックレと絶望
そして、最も精神的にきつかったのが、同じ時期に入った同期の“突然のバックレ”です。期間工は「祝い金目当て」「一時的な収入確保」など、割り切った理由で働く人が多いですが、それでも“同期”として話す機会があると自然と仲間意識が芽生えてきます。
ある日、その同期が無断で出勤しなくなりました。寮からも姿を消し、連絡も取れない。俗に言う「飛んだ」状態です。それ自体はよくある話かもしれませんが、精神的なダメージは大きかったです。寮で少しだけ話す程度の関係だったとしても、「俺も辞めた方がいいのかな……」と、自分自身のモチベーションも揺さぶられます。
特に、厳しい先輩や夜勤明けの疲労が重なるタイミングだったので、そのときは本当に心が折れかけました。「なんで俺はまだここにいるんだろう」と、孤独と虚しさでいっぱいになりました。
7. それでも辞めなかった理由と続けた結果
それでも、私は辞めませんでした。正確に言えば、「辞めたいと思ったけど、辞めずにダラダラと続けていたら、いつの間にか乗り越えていた」というのが近いです。
厳しい先輩とも関わらなくなり、作業に慣れ、生活リズムも整い、少しずつ心に余裕が生まれてきました。振り返ると、最初の2ヶ月が一番キツかったです。そこを乗り越えたあたりから、自分の中で「できるかも」という気持ちに変わっていきました。
結果的に、数百万円の貯金を作ることができ、体力もつき、自信もつきました。何より、「自分でもやればできる」という実感が持てたことが大きな収穫でした。
番外編:期間工の寮生活で辞めたくなる瞬間【ネットで見かけたリアルな体験談】
私は期間工として何度か働いていますが、実は「寮生活」を経験したことがありません。毎回自宅から通勤していたため、寮に関しては正直、羨ましさもありました。なんといっても寮費無料+光熱費込み、さらに家具家電付きという好待遇。普通に考えれば神待遇ですよね。家賃がかからないというのは、それだけで年間数十万円が浮くわけですから、貯金目的の人には最高の環境だと思います。
しかし、インターネットで「期間工 寮 トラブル」「期間工 寮 辞めたい」と検索すると、出てくるわ出てくるわ……。あまりにリアルで生々しい「地獄のような寮生活」の体験談が。
私はそれらを読んで、もし自分がその環境だったら「絶対に辞めたくなってた」と感じることがいくつかありましたのでシェアしたいと思います。
1. 壁が薄すぎる「まる聞こえ地獄」
まず、よく見かけるのが**「壁が薄すぎて隣人の生活音が全部聞こえる」問題**です。
・「深夜に隣の住人が電話してる声がまる聞こえ」
・「くしゃみとか屁の音まで聞こえる」
・「AVを観てる音が筒抜けで地獄」
など、プライバシーも何もあったもんじゃないという話ばかり。
これ、自分に置き換えて想像してみてください。夜勤明けで疲れ切って眠りたいのに、隣の住人の声やテレビ音で眠れない……。これ、かなりストレスたまると思います。日々の疲労に加えて睡眠まで邪魔されるとなると、かなりの確率で「もう限界。辞めたい」と思うでしょう。
2. 風呂やトイレが共用で汚い
続いて多いのが、共用風呂やトイレの汚さ。特に男性が多い職場では、掃除やマナーに対する意識がバラバラです。
・「シャワー室の髪の毛が毎日詰まっている」
・「トイレの便座が濡れている」「ウン〇を流さず放置してるやつがいる」
・「風呂の排水溝が詰まっていて水が足まで溜まる」
こういう話、ネット上で本当によく見かけます。もちろん全部の寮がそうだとは限りませんが、「当たり外れがある」のは間違いないようです。
私自身、清潔感にはそこそこ敏感なほうなので、こういう環境に当たっていたらかなりストレスを感じていたと思います。特に夜勤明けで疲れて帰ってきて、風呂に入ろうとしたら汚れていて気持ち悪い……なんて状況になったら、もう本気で「辞めようかな」と思ったはずです。
3. 住人とのトラブル・騒音問題
寮は基本的に“共同生活”。つまり他人と同じ建物で生活するわけで、人間関係のストレスも無視できません。
・「隣の部屋の人が夜中に大声で電話」
・「部屋の前にゴミを放置する住人」
・「いきなり怒鳴り声が聞こえて怖い」
この手の体験談もかなり多いです。特に派遣社員や短期契約の人も混在しているため、モラルのばらつきが大きい傾向にあります。
中には「隣人が薬物をやっていた」「勝手に部屋に入られた」というレベルの話もありました。もちろんレアケースかもしれませんが、ゼロではない。もしこんなことがあったら、仕事どころじゃなくなりますよね。
4. 寮内ルールが厳しすぎる
意外と見逃されがちなのが、寮内の独自ルールの厳しさ。
・「門限あり」「外泊届を提出しないと罰金」
・「友人の出入り禁止」「Wi-Fiがない」
・「洗濯の時間が決められていて夜は使用禁止」
こうした“学生寮みたいなルール”が嫌になって辞めたという話もあります。プライベートな時間が制限されるのは、精神的にじわじわ来ます。
5. 食事がマズい or 栄養バランスが悪い
工場によっては寮に食堂が併設されていて、朝昼晩のご飯が提供されるところもありますが、「食事がまずすぎて地獄」という声もちらほら。
・「レトルトや冷凍食品ばかり」
・「メニューのローテーションが1週間でほぼ固定」
・「栄養が偏っていて、健康診断で引っかかった」
寮のご飯が美味しくないと、それだけでQOL(生活の質)が著しく下がります。仕事のキツさを乗り越えるには、「食」がかなり大事だと感じます。
結論:寮も運次第。だが“心の準備”は必要
私は幸いにも寮経験がないままここまできましたが、逆に言えば「寮ガチャを引かなかった」ことで、トラブルや辞めたくなる要素がひとつ減っていたのかもしれません。
これから期間工として寮に入ろうと考えている方は、事前に口コミをしっかり調べること、“ハズレ”だった場合の覚悟を持つことが重要です。
寮生活が快適なら、仕事も続けやすく、貯金も溜まりやすい。
でも、寮がストレスの温床になれば、それは“職場外での地獄”になります。
だからこそ、事前リサーチと“運命力”は侮れない。
8. 読者へのメッセージ
これから期間工を始めようとしている人に伝えたいのは、「とりあえず2ヶ月は頑張ってみて」ということです。最初の2ヶ月さえ乗り越えられれば、身体も心も驚くほど慣れてきます。
また、トラブルがあった時は抱え込まず、班長や人事に相談してください。周囲の人たちも、実は同じような壁を越えてきた人たちばかりです。無理をして我慢し続ける必要はありませんが、「簡単に辞めてしまうのはもったいない」とも思います。
どうしても無理だと思ったら、辞めてもいい。ただし、「辞めるのは自分の判断」「会社にも辞める権利があるように、労働者にもある」ということを冷静に捉えて、自分にとってベストな判断をしてほしいです。